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今時の新築に多い、意外と知らない”協定道路”  これだいじょうぶ?

2018.01.25

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新築よく見る”協定道路”?これって道路なの?

小規模開発現場では、間口2.0mの敷地延長を2軒から4軒程合わせて、4~8m幅の”協定道路”?に建っている新築、

意外と多くみられます。これは道路ではないんですよ!

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協定道路、例えばこんな感じ

B区画 C区画の2.0mの敷地延長部分を

合わせて4.0mの協定道路としたものです。

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これは何でしょうか??

 

上記図面の通り、

「各自の土地(宅地)を道路みたいに

お互いに通れるようにしましょう!」

と言う協定書を作成した部分です。

 

ですから、道路(建築基準法)ではありません。

あくまでそれぞれの宅地なんです。

 

多く場合小規模開発の新築は、

位置指定道路を入れ、図のように分割します。

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位置指定道路とは、特定行政庁が位置を指定して

建築基準法上の道路としたものです。

見た目は協定道路とほとんど変わりません。

 

しかし、

図の通り位置指定道路には、

排水路を確保する必要があるため

指定基準を満たしたサイズの側溝を

道路両側に設置しなければなりませんし、

公道に接する部分には、車の出入りを考えて

隅切り必要となりますし、

更に勾配や表面の仕上げ等細かな施工基準があるのです。

 

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そして現場審査を受け位置指定公告を受けないと

B・C区画に建物を建築するための確認申請もできません。

 

そのため

道路工事に関する施工費用も掛かりますし

書類審査から施工完了後の現場審査までに

それなりの日数も掛かるので、販売開始までの

期間も延びることになります(><)

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早く販売したいのは、どこの業者でも同じです。

 

そしてせっかく仕入れた土地ですので

少しでも利益が出るように販売したいのです。

 

間口8.5mのこの土地を1区画での販売すると、、

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土地が広いため、販売価格も高くなり

よっぽど立地が良くなければ買手はなかなか見つかりません。

 

では2区画ではどうでしょうか?

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図のように間口がそれぞれ4.25mしか確保できないので

魅力ある間取りのお家は建築しずらく

販売しにくくなってしまいます。

 

そこで

3区画を造る為に

公道から2区画を公道からの敷地延長とします。

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上記のように3区画にできました、、

が、

A区画の土地の広さを確保するために

B・C区画の間口は2.0mしか取れません。。

 

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2.0m幅では軽自動車もギリギリ(><)

これでは思ったような価格での販売は出来ません。

 

しかし・・・

位置指定道路を入れるとなると、

費用も日数も掛かるし、、、

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そこで登場するのが”協定道路” なんです。

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そうだ!!

それぞれの敷地延長部分2.0mを

お互いに通行できるようにしよう!

そうすれば、普通車の車庫も確保できるし、、、

直ぐに建築もできる!

 

良いことばっかり!!

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ちょっと待ってください!

 

たしかにその通りなんです。

協定書をお互いに交わすので、

それは契約ですから約束です。

 

しかし、

新築の時にはいくら仲が良くても

時間が経ち買換え、相続、競売等々の理由で

お隣の所有者が代わる事は多々あります。

 

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それぞれの車庫を確保するための協定道路ですので

内容も継承されるのがあたり前ですが、

次の所有者さまへ受け継がれないケースもありますし

別の理由で反故にすることも無いとはいえません。

 

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もちろんレアケースです。

ただし、自分の財産を守る為には

将来トラブルとなりえるような

余計な取り決めや約束、契約は

ない方が良いに決まっているのです。

 

一番トラブルが無いのが

公道に面している事です。

補修費用や面倒な管理も必要ありませんので・・・

(評価も高くなります)

 

また、

協定道路の場合は、位置指定道路と違って

地目は「公衆用道路」ではなく「宅地」ですので

固定資産税。都市計画税も掛かりることも多く、

側溝も確保されていないので、

洗車時などの汚れた排水が

お互いの敷地延長部分(宅地)に垂れ流しとなりますし

道路からの出入りが楽な隅切りもありません。

 

もちろん

協定道路がダメなのではありません。

 

その分素敵なお家が周辺相場よりも安く購入できるとか、

デザインがとても気に入ったとか、それ以上のメリットがあれば

それはそれでよいのだと思います。

 

ただ、協定道路なりのデメリットも理解したうえで

検討いただきたいと思います。

 

最近では将来のトラブルを未然に防ぐために

協定部分の敷地延長の宅地に

それぞれ地役権の設定をするケースも増えてきました。

 

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将来子供さん達には

ストレスのない

笑顔いっぱいの素敵な実家を選びたいものですね。

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